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筆者:冨澤敏夫(柔道整復師)N2023/2/24 T2023/5/12

膝が痛い10代の原因にオスグット病と成長痛があり回復させる

オスグット病=成長痛ではない!

膝が痛い10代はオスグット病や成長期の痛みと言われています。二つを一緒に考えている方がいますが、オスグット病は膝の成長痛でなないため、そのことを説明していきます。

痛む部位は脛骨粗面と言われている膝のお皿の下の約5㎝下の脛の骨で、膝蓋腱靭帯という大腿四頭筋が腱に移行して脛骨粗面に付着する場所です。

10代は骨の成長が早いので、筋肉の伸張性と骨の成長のバランスが合わないと考えられています。

特徴的な症状は、走ると膝が痛む・痛む部位が当たると痛い・正座ができない:階段を登る時に膝に力が加わると痛いなどで、子供が膝の痛みで病院に行くと、下記のようなことを先生に言われます。

「これはオスグッドという、成長期に起こる成長痛です。運動を控えれば心配はいりません。痛みはなくなりますが、無理に動かすと再発するので注意してください。」

オスグッド病は成長痛と理解してしまいますが、実はオスグッド病と成長痛では違うため対応の仕方も違うので注意してください。

成長痛の原因は成長する過程に起こる現象ですが、オスグッド病は原因が体力に合わない運動が引き金で、起こる大腿四頭筋の筋緊張であり、それを放置して運動を継続していると、悪化して手術が必要になることもあります。

オスグット病の原因を知り、適切な対応をすれば早期回復も可能です。痛みが改善して運動ができるようになります。

 

目次

  1. 成長痛とは?
  2. オスグット病とは?
  3. まとめ

 

成長痛とは?

成長痛は、1823年にフランスの医師が最初に子供の下肢の痛みを「成長の病気」として説明しました。

「成長痛(せいちょうつう)」は、成長期の子供の足の痛みの総称で使われています。

発生のメカニズムは少し違いますが、スポーツ障害であるオスグッド病(膝下の痛み)やシーバー病(踵の痛み)なども、子供に多いため「成長痛(せいちょうつう)」と診断されることが多いです。

成長痛の特徴

  1. 夜間痛があることが多い。
  2. 痛みのレベルには個人差がある。
  3. 違和感程度で終わる子供も多い。
  4. 4〜12歳ごろに起こる。
  5. 成長痛のピーク(頂点)は個人差がある。
  6. 全ての子供が必ず出るとは限らない。
  7. 男女差が明確ではないと言われている。

 

成長痛は、成長期の子供に存在する骨端軟骨(骨が成長する部分)が、急速な成長の時に筋肉が引っ張られ、骨に付着する腱に負担がかかり骨が痛む症状を言います。

夜間痛が起こるのは、身長が成長ホルモンの影響で夜中に伸びようとするので、夜間の痛みが起こります。

成長痛は、骨の成長に筋肉の成長が順応するので、骨に付着する腱が引っ張られる負担が、軽減するので痛みも少なくなります。

痛みが強い時は、体育の運動(特に走る、縄跳び、ジャンプなど)を休んで、安静にしていれば痛みが緩和されて行きます。

オスグット病と区別する!

オスグッド病は、運動などで筋肉が過緊張を起こして、骨に付着する腱を引っ張ることで骨に痛みがでる症状。

成長痛は、骨の急速な成長が筋肉を引っ張ることで、骨に付着する腱が引っ張られて骨に痛みが出る症状です。

オスグット病と膝の成長痛は、発生のメカニズムが違いますが、「膝の下の痛み」という結果は同じです。

 

症状

成長痛には特徴的な症状が現れます。そして痛み方にも個人差があり、全ての子供に当てはまるのではないため、下記を参考にして判断してください。痛む時間帯や部位、痛みの出方を記載します。

成長痛の症状

  1. 痛む時間帯は夕方から夜にかけてが多い。
  2. 痛みで目が覚める場合もある。
  3. 遊んでいるや学校、幼稚園では痛みが出ないことが多い。
  4. 寝ている間や朝方に痛むことが多い。
  5. 膝の下の骨を押すと痛く、腫れている場合もある。
  6. 不定期で月1〜2回、週に1、2回など継続的に痛いわけではない。
  7. レントゲン検査では異常が見つからない。
  8. 手を当てて擦ったりすると痛みが緩和する。

 

原因

成長痛と言われていますが、原因ははっきり解明されていないません。成長で骨が痛むなどは医学的にはないそうです。

骨の成長に伴って痛みが発生することは、痛みの原因ではなく骨が伸びる際に骨に付着する腱が引っ張られて、その部位に負担が発生して痛むと考えます。

また、成長痛の原因は「ストレス」などの精神的な面が深く関係しているとも言われています。

例えば、大人でもストレスが加わると、頭痛や腹痛が起こる方がいます。同様に子供の場合でみ、精神的なストレスが「痛み」として現れる例も少なくありません。

一次成長痛と言われる3歳〜5歳頃は、乳幼児期とは違い自分で行う生活が増えるためストレスが溜まる時期です。

例えば、食事やお風呂、歯磨き、保育園(幼稚園)の通園による団体生活が始まり人間関係が生まれるなど、社会生活に適応していくことに慣れていないため、疲れなどでストレスを感じやすくなります。

ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。 外部からの刺激には、天候や騒音などの環境的要因、病気や睡眠不足などの身体的要因、不安や悩みなど心理的な要因、そして人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因があります。(参照:厚生労働省の知ることからはじめよう!みんなのメンタルヘルス)

小学校に入ると、習い事などで人間関係がさらに多くなりストレスが増えます。12歳以降(思春期)では、子供の成長に伴いストレスの原因も変わってきますが、同じように精神的ストレスが「痛み」として現れることがあるのです。

 

対応

成長痛は仮病と思われがちですが、決して仮病ではなく「本当に痛みを感じている」と理解してください。

原因にストレスが関係していても、特定するのは困難なため下記に記載する対処法を試して経過観察してください。

成長痛の対応

  1. 痛む部位を擦るなどマッサージを施す。
  2. 足をクッション、布団などで上げてあげる。
  3. 睡眠不足にならないように早く寝かせる。
  4. お風呂に入って温めるのも効果的。
  5. 笑顔のある会話を多くしてあげる。

 

オスグット病とは?

10代のスポーツ活動をする子供たちに多い膝や踵の痛みです。先程、お話した成長痛とは発症のメカニズムが違うため、分けて考えていきましょう。

オスグッド病は、運動などで筋肉が過緊張を起こして、骨に付着する腱を引っ張ることで骨に痛みがでる症状です。

成長痛は、骨の急速な成長が筋肉を引っ張ることで、骨に付着する腱が引っ張られて骨に痛みが出る症状です。

正式名称は、オスグッド・シュラッター病と言います。(以下、オスグット病とします。)

成長期の骨には骨端線(骨の成長をつかさどる軟骨層)があります。この骨端線がある時期までを成長期と言います。男子は17〜18歳、女子は15〜16歳くらいまでの時期を平均的な成長期として表します。

膝では、お皿(膝蓋骨)の下の骨の膝蓋腱が付着する脛骨粗面(けいこつそめん)が腫れて痛みます。成長期の子供がスポーツ活動で頻発する代表的なスポーツ障害です。

オスグッド病は、運動で大腿四頭筋の筋肉が発達して、運動量が増える小学校高学年から中学生にかけて、多く見られるオーバーユースのスポーツ障害のひとつで、初期では、膝を曲げると痛みを感じるようになり、悪化するとプレーが出来なくなるほど痛みに悩まされます。

オスグッド病が初期なら、休養して運動を控えれば痛みは軽減しますが、症状がひどくなると長期のスポーツ活動の休止が必要となります。

さらに悪化すると、装具療法や手術も検討しなくてはならなくなります。

改善する目安は個人差があり、6ヶ月かかることもあれば、1年〜2年以上と必要な時もあります。

私も経験があるのですが、痛みのため練習にも参加できず焦りと不安を抱えながらサッカーをやっていました。当然、良いプレーは出来ず高校はサッカーでないスポーツを選びました。

オスグッド病は、成長痛とは異なり「成長期だから時期が来れば改善する」というものではありません。筋肉が骨に付着する腱を引っ張り起こしているので、筋肉をほぐして緩めれば、短期間の回復が期待できます。

 

症状

主訴は痛みです。下記の症状が長期間続くときは、成長痛ではなくオスグッドの可能性があります。

オスグット病の症状

  1. 運動すると膝が痛くなる。
  2. 痛い時は階段の上り下りがつらい。
  3. 正座すると痛く、ぶつかると痛い。
  4. 自転車を漕ぐ動作も痛くなった。
  5. 屈伸するとお皿の下が痛む。
  6. 膝下の骨が出っ張ってきた。

 

痛む部位が膝の下の骨で、左右差を比べて出っ張ってきたらオスグット病を疑いましょう。

 

原因

発症は10歳〜15歳くらいの思春期に、スポーツ活動で跳ぶ、急激に動く動作を頻繁に行う種目に多く現れます。

例えば、バスケットボールでは膝を曲げた状態での移動やジャンプと着地が負担で、バレーボールではジャンプと着地が頻繁にあることが考えられます。サッカーでは急激な動きやボールを蹴る負担が考えられます。

原因は、膝を伸ばす動きで使う大腿(太もも)の前面にある筋肉(大腿四頭筋)が、緊張して強く収縮し膝のお皿の下の骨(脛骨粗面)に付着する膝蓋腱を、引っ張ることで起こります。

成長期の骨は、まだ軟骨の部分が多いため弱いです。筋肉が骨に付着する腱を繰り返し引っ張ることで、軟骨の一部が剥がれようとするため腫れや炎症を起こします。

腱が骨から完全に剥がれれば剥離骨折となりますが、通常では剥離骨折になる前に激痛で運動の制限が起こります。

我慢強い子供では、ひどくなっても練習を休まないため、膝を伸ばす力の繰り返しにより、大腿四頭筋が収縮で膝蓋腱の付着部である脛骨粗面の成長軟骨を、引っ張り続けることで剥離し脛骨粗面が隆起してしまいます。

原因をまとめると、大腿四頭筋の疲労などで硬く柔軟性が低下したところに、成長期の骨の弱さが原因で、負担に耐えられなくなり起こると考えられます。

 

治療法

オスグッド病の痛みを改善するには、根本的な原因を解決する必要があります。痛みの原因は、膝の下の出っ張りの骨ではなく、骨に付着する腱が引っ張っている筋肉の状態にあります。

急性痛と慢性痛を繰り返し、膝の下の骨付近の血行が悪くなり、痛みが起こっています。

急性痛は炎症があるのでアイシングや安静が必要ですが、慢性痛は血行不良が原因にあるので、マッサージとストレッチで血行促進と大腿四頭筋を緩ますことで改善されていきます。

 

まとめ

子供が痛みのためにスポーツ活動が思うようにできないことで、挫折して運動が嫌いになることも起こりえます。

膝の痛みには、他にも色々な疾患があります。例えば、ジャンパー膝も同じような部位に痛みが出る為、鑑別は慎重に行います。

成長痛とオスグット病は違うと理解して、適切な治療を受けて欲しいと考えます。

 

オスグット病や成長痛を改善させるセルフケア法

 

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監修:冨澤敏夫(柔道整復師・整体師)

慢性痛の湿布 「10秒かかと上げで足裏の痛みが消える!」(KADOKAW)、ペンギン歩きを治せは「しつこい足の痛みは消える!」(現代書林)のどの書籍があります。雑誌の取材などメディアで紹介されています。

日経ヘルス・健康364、わかさ、PHP出版などから取材を受けて、雑誌の1年間の連載も好評でした。

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