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筆者:冨澤敏夫(柔道整復師)N2023-01-24

足関節の解剖学で足首のしくみ理解する

足関節|身体(人体)の解剖学

足関節は、距骨と脛骨・腓骨から構成され、 人間の一番の土台となる関節です。複雑な構造ではなく、とてもシンプルな構造になっています。

3つの関節(距腿・距骨下・遠位脛腓関節)からなる複合関節で、それらの関節は協調的に動き、単純な動きだけでなく複雑な動きを可能としている。

移動で大きな推進力を生むには、床からの抗力が必要で足首の安定性が必要でる一方、地面からの衝撃を緩衝する柔軟性も必要とされます。安定性(スタビリティー)と可動性(モビリティー)という相反する機能が備わっています。

目次

  1. 01足関節の構造
  2. 02靭帯・腱・筋肉
  3. 03動き(可動域)
  4. 04足根管と足根洞
  5. 05主な疾患

 

足関節の構造

足関節の構造解剖

3つの関節から複合関節で身体を支え動く起点になっている。

人体を部分(足関節・膝関節・股関など)に分けて、その部位別に構造を明らかにしていきます。

学んでいくと被る系統の器官があり局所解剖学は、系統的解剖学が基礎となります。局所解剖学は応用解剖学また外科解剖学とも呼ばれます。

足関節の正面

足関節の正面

足関節の外側

足関節の外側

足関節の内側

足関節の内側

3つの関節(距腿・距骨下・遠位脛腓関節)からなる複合関節で、それらの関節は協調的に動き、単純な動きだけでなく複雑な動きを可能としている。

 

関節の基本構造

関節の基本構造図

関節の基本構造は、骨と骨の間(裂隙)には関節軟骨というクッション構造の組織があります。関節は関節包に包まれて、関節包の内側は滑膜という関節液や栄養を分泌する組織があります。

関節包の中には関節液が満たされていて関節の栄養源になる働きと、潤滑・緩衝材として機能します。

関節軟骨の摩耗で変形性に!

外返し・内返し 関節軟骨の摩耗で変形性足関節症という状態になります。これは、加齢や肥満・過度な運動・捻挫骨折の後遺症など起こります。

関節内部の滑膜の炎症などで、滑液が正常に分泌されず摩耗しやすい環境になり、栄養が行きわたらず変形変性していきます。

 

足関節の靭帯・腱・筋肉

足関節には複雑な構造で神経や腱・血管が通る部分があります。腱炎や血行不良などの障害が起こりやすく、捻挫や骨折での後遺症の改善でも重要な部位です。

 

足関節を守る靭帯

 

足関節の内側靭帯

足関節の内側靭帯

足関節の外側靭帯

足関節の外側靭帯

足関節を安定させ、運動の力を効率的に全身に伝える為に、内側と外側に靭帯が絶妙な部分についています。関節の動きを妨げずに多様な動きに対応できる構造は、本当にすごいと私は思います。

内側の三角靭帯は外返し捻挫(外反捻挫)の際に、関節が脱臼しないように防いでいます。三角靭帯は、前後の脛距靭帯・脛踵靭帯・脛舟靭帯の4つで構成されています。

外側靭帯は内返し捻挫(内反捻挫)の際に、関節が脱臼しないように防いでいます。3つの靭帯(前・後距腓靭帯、踵脛靭帯)と他に重要な靭帯があり、前後の脛腓靭帯、二分靭帯(踵骨と立方骨・舟状骨)で構成されています。

 

足関節を通る腱

 

足関節の靭帯・前面

 

足関節の外側
足関節の内側

 

足関節を通過する腱(筋肉から移行する組織)は、痛みを引き起こす組織でもあるので、どこにどんな腱が通っているか知ることは重要な事です。

足関節の内側には内果溝を通る腱・神経・血管

腓骨果溝、腓骨筋支帯 内側では、足関節の内果(脛骨側)後方では距骨の長拇趾屈筋腱溝を、長母指屈筋腱が通過します。バレリーナなどに痛みが起こる部位で、拇趾を屈曲することで痛みが増強します。

後脛骨筋腱と長趾屈筋腱や、脛骨神経・後脛骨動脈静脈が通過する脛骨の内果後方にある内果溝(ないかこう)も痛みや不調の原因にもなる部位です。

足関節の外側には距骨の長母指屈筋腱溝と、長・短腓骨筋腱が通る腓骨果溝がある。

腓骨果溝、腓骨筋支帯 例えば、外側の外果後方を通過する腱では長・短腓骨筋腱があります。この腱は、腓骨筋腱支帯でズレないように守られれていますが、長・短腓骨筋腱が腓骨果溝から外れることがあります。

その際にクリック音(パキ)と鳴りますが、痛みがないことが多くあまり心配はないのですが、稀に炎症が起こることもあり、それが腓骨筋腱炎です。足首を伸ばす際に痛みを感じますが、歩行や走行などの蹴り出すときに痛みが増悪します。

 

腱と腱鞘の構造

 

足首の腱と腱鞘の構造

足首の腱と腱鞘の構造

手首の腱と腱鞘の構造  

手首の腱と腱鞘の構造

足首の腱は腱鞘という組織で摩擦などの負担を緩和させています。手首も同じ構造で手の腱鞘炎は良く知られる疾患です。

腱自体が炎症を起こすと腱炎になりますが、腱鞘が炎症を起こすと腱鞘炎と呼ばれます。腱や腱鞘で炎症が起こると、どちらにも影響を及ぼすので、鑑別することが大切ではなく、腱炎でも腱鞘炎でも同じような処置をすることが大切です。

 

足関節を動かす筋肉たち

下腿の筋の断面図

 

足関節を動かす筋肉
足関節を動かす筋肉

 

関節軟骨の摩耗で変形性足関節症という状態になります。これは、加齢や肥満・過度な運動・捻挫骨折の後遺症など起こります。

関節内部の滑膜の炎症などで、滑液が正常に分泌されず摩耗しやすい環境になり、栄養が行きわたらず変形変性していきます。

 

足関節の動き(可動域)

足首の動きは、複雑で絶妙なコンビネーションでつくられる。

外返し・内返し 足関節の動きは、距腿関節を中心に動きます。距腿関節は、距骨と脛骨・腓骨で構成されている関節です。動きは背屈(屈曲)・底屈(伸展)が大きな動きで、その他の外転・内転・内反(回外)・外反(回内)は小さな動きです。

特に注目してほしい動きは内返し(底屈・内転・内反)と外返し(背屈・外転・外反)は複合運動で行われています。歩く走るなどの足首の動きは、この複合の動きで成り立ちます。

屈曲(背屈)と伸展(底屈)

背屈・底屈

外転・内転

外転・内転

外反・内反

外反・内反

 

足の神経と血管、足根管と足根洞

 

足の神経と血管

 

足根菅を通る神経と血管

足根菅を通る神経と血管

足根洞

足根洞は空洞の溝

 

主な疾患

足関節(足首)に痛みや不調をきたす疾患(怪我・病気など)は、代表的なものにスポーツや日常で多く発生する足関節捻挫でしょう。次に骨折(脱臼骨折・剥離骨折を含む)で、中年以降は加齢や肥満などで、変形性足関節症(へんけいせいそくかんせつしょう)です。中には、痛風(偽痛風)など生活習慣病が関係している痛みや不調もあります。

足関節捻挫

足関節捻挫

足関節果部骨折

足関節果部骨折

変形性足関節症

変形性足関節症

 

関連記事

 

目次

  1. 痛みとは
  2. 痛みの分類(原因)、侵害受容器性,神経障害性,中枢性(心因)障害
  3. 痛みの分類(部位)、体性痛と内臓痛
  4. 痛みの分類(時間)、急性痛と慢性痛
  5. 関節の痛みとは

 

監修:冨澤敏夫(柔道整復師・整体師)

慢性痛の湿布 「10秒かかと上げで足裏の痛みが消える!」(KADOKAW)、ペンギン歩きを治せは「しつこい足の痛みは消える!」(現代書林)のどの書籍があります。雑誌の取材などメディアで紹介されています。

日経ヘルス・健康364、わかさ、PHP出版などから取材を受けて、雑誌の1年間の連載も好評でした。

 

さいたま中央フットケア整体院の紹介

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