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筆者:冨澤敏夫(柔道整復師)N2023-03-23 R2023/10/10

捻挫を早く治すには、何をすれば良いのか徹底解説

アスリートなら捻挫をしたら早く治して競技に復帰したい、一般の方でも捻挫を早く治して仕事や趣味に復帰したいと思うと思います。

ズバリ、捻挫は受傷した瞬間から24時間以内の応急処置で、回復のスピードは変わります。そして、回復期のリハビリの方法で早期の復帰が可能かが決まります。

ここでは、「早く治す」「早期復帰させる」ことを目的とした方法を、詳しく解説していきます。

目次

  1. 捻挫とは何か?
  2. 捻挫は損傷レベルの3つを見極めることが大切!
  3. 捻挫は受傷時の応急処置が早期復帰に大きな影響を与える!
  4. 捻挫は5つの時期と適切な処置の仕方
  5. 状態と処置法の関係に理論的根拠がある
  6. 捻挫の治療中の注意事項
  7. 実践!捻挫の早期回復の流れ
  8. 症例
  9. よくある質問一覧

 

捻挫とは何か?

捻挫とは? 捻挫とはスポーツ活動や日常の生活で足関節(足首)を捻り、靭帯や腱のような軟部組織や、骨表面を覆う関節の軟骨や半月板や関節唇といわれる部分に損傷した場合を言います。

足首周辺に腫れや痛み・内出血が起こり、スポーツ活動の怪我(外傷)で全体の約30%と多く、中学生以下が約25%、高校生以上でも約30%で発生します。レントゲンで骨折や脱臼が認められない怪我のことを言いうます。

軽く捻挫して痛くないから大丈夫と、甘く見ずに放置しないでください。

軽く捻って2週間もすると強い痛みは無くなり、日常生活に支障がなく安心しても、スポーツ活動を再開して足首に負担が加わると痛みや腫れ起こり、長期的に足首の不調に悩まされる症例は多くあります。

 

捻挫は損傷レベルの3つを見極めることが大切!

捻挫の尊勝レベル 捻挫には1度(軽度)・2度(中度)3度(重度)の3段階があります。1度は、靭帯に損傷が見られない状態の捻挫です。2度は、靭帯に部分的に断裂が見られる損傷です。3度は靭帯の完全断裂が見られる損傷です。

腫れや傷みと損傷レベルは一致することが多いのですが、痛みが軽いからと甘く見ないで少し大袈裟なくらいに考えて、しっかり治しましょう。

 

捻挫は受傷時の応急処置が早期復帰に大きな影響を与える!

捻挫の応急処置RICEとは? 捻挫の応急処置にRICEという方法があります。RICEは頭文字で4つの工程で炎症を抑える方法です。

応急処置で注意してほしいことは冷や仕方と時間です。あくまでも応急処置であるため病院へ行きましょう。

R(Rest:安静)、I(Ice:冷却)、C(Compression:圧迫)、E(Elevation:挙上)です。

R(Rest:安静)は、捻挫の初期は炎症を起こしています。炎症が起きているときに動いていると腫れ痛みが増して、余計な炎症を引き起こすので治りにくくなります。

I(Ice:冷却)は、炎症により患部に低酸素障害が起こります。すると健康な部分まで細胞壊死などで改善が遅れます。方法は、ビニール袋や氷嚢に氷と少量の水を入れて患部を冷やします。時間は20〜30分は冷やしてください。目安としては、患部の赤くなり感覚が無くなったら終わります。また痛みが出てきたら冷やしましょう。

C(Compression:圧迫)は、患部の内出血(皮下出血)や腫脹を防ぐ目的で行います。痛む部位(腫れが予想される部位)にパット(なければタオル)を当てて、包帯などで軽く圧迫します。

E(Elevation:挙上)は、受傷からしばらく(1週間程度)は、足を心臓より高く上げて腫脹(腫れ)の軽減を促します。

上記の内容を考えてもらうと、受傷から3日間は出来るだけ腫れや炎症を抑制することを、優先することが大切とわかります。無駄な炎症や腫れが無い方が回復が早く、競技者であれば復帰も早くなります。

やってはいけないことは、受傷直後に温めて血行を促進する行為です。アルコールの飲酒やお風呂やサウナなどは禁忌です。マッサージも必要ありません。

 

捻挫は5つの時期と適切な処置の仕方

捻挫の治癒経過には急性期 ・亜急性期 ・回復期 ・強化期があります。経過の時期に適切なケアやトレーニングを入れていくことで、順調に回復していき早期の復帰が可能となります。

急性期

受傷から3日以内(72時間以内)を指しますが、この時期はRICE処置が適応されます。冷やして炎症を抑えて、患部を安静にすることが重要な時期です。

捻挫をして組織が履かされ炎症反応が起こります。受傷の瞬間の激痛からジンジン痛む組織の修復のための炎症へと変化していきます。

ここで無理して動いたり、早く回復させようと無理やり足首を回したりすると、治りが悪くなり回復に支障がでます。

この時期に行うことは安静です。

亜急性期

亜急性期は、急性期と慢性期の中間に位置しますが、状態的には急性期を脱して怪我が安定するまでの期間です。

期間は、怪我の損傷レベルにより変わりますが、私は受傷から3週間以内と考えています。

まだ安心できないため、引き続き積極的なケアが必要です。ケアの内容は、軽く体重をかけて生活が出来ますが、運動は控えて患部の安静を行います。

足指の動きや足首の動きを行うのは良いです。

回復期

回復期は、受傷から3週間以降と考えています。組織の修復が進み痛み自体はほぼ無くなり、軽く走ることが可能になります。

この時期から、徐々にトレーニングの強度を上げていきます。注意しなくてはいけないことは、痛めた部位は筋力低下が起こるため、急激に負荷を与えると慢性痛や再発の恐れがあります。

例えば、トレーニングの強度は大きく分けて、無荷重運動と荷重運動です。無荷重運動は、ゴムチューブ運動など体重をかけずに行う運動があります。荷重運動はかかと上げ運動など体重を乗せて行います。

無荷重運動から荷重運動へ移行して、ジョギングからダッシュへと強度を上げていきます。

強化期

通常練習に復帰しながら、全力を100%としたら60%程度から開始して、徐々に100%へ上げていきます。

その間に、回復期で行ったゴムチューブ運動は継続して、荷重運動では怪我したほうの足首に荷重の負荷を増やしていきます。

例えば、怪我した側の足で片足でのかかと上げ運動を頻繁に行い、実践に耐えられるように鍛えていきます。

ここまで回復すれば、再発のリスクは少なくなるのですが、安心しないで足首のセルフケアは3か月は継続したいと思います。

 

状態と処置法の関係に理論的根拠がある

受傷時に冷やす理由とは!

受傷時に冷やす理由には、炎症を必要以上に広げないためです。

腫れも最小限に食い止めることができて早期回復に繋がります。

アイシング(冷やす)は、受傷したら早ければ早いほど良いので、優先して冷やしてください。

組織損傷による炎症は損傷直後と数十分後では異なります。

組織損傷の場合、受傷の瞬間とその後の反応は違います。簡単に言うと受傷の瞬間は激痛で鋭い強い痛みですが、その後はズキンズキン、スキズキと鈍痛に変化していきます。

これは、痛みのメカニズムにより違いがあるので、詳しくは「痛み(疼痛)・炎症の基礎知識|痛みとは、炎症とは何かを学ぶ」を参考に!

腫れるには理由がある!

炎症により腫れるにも理由があると思います。腫れると関節の動きが制限されて、強制的に安静が促されます。

腫れずに捻挫した部分の関節が自由に動いてしまうと、回復が遅れるだけでなく、他の障害も発生してしまうのではと思います。

例えば、靭帯の部分断裂が動かしてしまうことで、完全断裂へと変化してしまうなどです。

 

捻挫の治療中の注意事項

捻挫した時、捻挫の治療中に注意してほしいことは、アルコール(飲酒)・たばこ(喫煙)・運動・お風呂です。

ここでは、捻挫を早く治して早期復帰をしたい方へのアドバイス的なページなので、一般の方が「別に早く治さなくても、治れば良い」と思うのであれば、一部のことは守らなくても大丈夫です。

特に、タバコ・お酒が好きな方がしばらく中止するのは「生き地獄」ですからね。

 

アルコール(飲酒)の注意事項

捻挫受傷時や後にアルコールを摂取すると、腫れがひどくなります。また、受傷後に摂取しても腫れがひどくなり治りが遅れる原因になります。

例えば、お酒を飲んで酔っ払い段差を踏み外した方は、しらふで捻挫した時よりも腫れがひどくなります。

これは、血行が良くなることで炎症が過剰に起こるからと考えます。

たばこ(喫煙)の注意事項

喫煙は血管を収縮させるので、血流を悪くするので治す過程で回復させる作用が遅れると考えます。

炎症反応で破壊された組織は、不要なものを患部から排除する作用があり、血管が収縮して流れが悪くなると、スムーズに排除が出来ない問題が起こると考えられています。

運動の注意事項

痛みがあるときは動きを加減するため運動はやらないと思いますが、運動が習慣になっている方は、少し痛みが引くと運動して無理をしてしまう傾向にあります。

患部が回復して無い状態で、過剰な負担をかけてしまうと患部に痛みが起こり、痛みの作用は血行不良を起こすので、慢性疼痛の病態へと移行しやすくなるので注意が必要です。

お風呂の注意事項

受傷した日はもちろんお風呂は禁止ですが、受傷から3日間は温めすぎない方が良いと思います。

普段シャワーだけの方なら良いのですが、普段から42度以上の熱いお風呂に15分以上浸かる方は、受傷から3日間はシャワーだけにするか、浸かってもすぐに上がってください。

受傷から3日以降は、特に制限がなくお風呂に入れます。

 

実践!捻挫の3週間復帰プログラム

ここでは、軽度から中程度の捻挫のレベルでの早期復帰プログラムの一例です。症状によりプログラムは検討していくため、専門家に症状を診てもらってから行いましょう。

 

  • 受傷時
    急性期

    受傷の瞬間は、出来るだけ早くアイシング

    捻挫の受傷の瞬間受傷の瞬間は、出来るだけ早くアイシングを行い足を、心臓より高くなるように安静にしましょう。

    アイシングは氷嚢かビニールの中に氷と少量の水を入れて、水が漏れないようにしっかり結んで患部に当てます。冷やす時間は気にしないで、冷やせるだけ冷やしましょう。

  • 受傷後3日間
    急性期

    受傷から3日間(72時間)が早期回復に大切な期間

    捻挫の受傷から3日間受傷の翌日からは、アイシングは20分程度で1日1回〜2回程度行います。受傷レベルにより生活の制限をしますが、軽度であれば足首を固定していれば歩行はある程度は大丈夫です。

    中度~重度であれば、負傷した足に体重が乗らないように注意して生活しましょう。

  • 受傷3日後から1週間以内
    急性期

    炎症物質を徐々に流していきます。

    受傷3日後から1週間以内受傷3日後から、アイシングは痛みが軽減していれば必要がありません。強い痛みが出るようであれば、アイシングをしても良いです。

    この時期は、お風呂で軽くマッサージをすると良いでしょう。患部は軽く行い周りは入念にマッサージして、残存している炎症物質を徐々に流していきます。軽く足首を動かすのは良いですが、無理して大きく動かさないように注意してください。

  • 受傷1週間後から2週間以内
    亜急性期

    少しずつ動かす範囲を大きくして可動域の回復を促す

    受傷1週間後から2週間以内少しずつ動かす範囲を大きくしていき、可動域の回復を行っていきます。痛みはほとんど無くなっていますが、動かした後に痛みがある場合は、アイシング15分程度しても構いません。

    この時期は、関節の拘縮を予防することに重点を置くため、患部へのマッサージと可動域を拡大するストレッチの量を増やしていきます。歩行も荷重をかけて構いませんが、ジャンプや走る動作は控えてください。ゴムチューブ運動を導入して負担に慣らしていきましょう。

  • 受傷2週間後~3週間以内
    回復期

    足首にかかる荷重負担の強度を上げていきます。

    受傷2週間後~3週間以内この時期から、足首にかかる荷重負担の強度を上げていきます。例えば、片足かかと上げ運動などを導入していきます。

    しかし怪我した部分は力が弱っているので、無理をしないで徐々に負担を上げていき、目標は怪我をしていない足と同じ感じで、片足かかと上げ出来るようにトレーニングしていきます。ジャンプの負担も有効なため、縄跳びなども行うと良いでしょう。

  • 受傷3週間後から
    復帰準備

    この時期に焦りは禁物、慎重に様子を見ていきます。

    受傷3週間後から復帰へ復帰しますが、最初は60%程度の力でプレーするようにしてください。1週間単位で様子を見ながら3週間かけて100%の力でプレーできるように慣らしていきます。復帰すると思わぬ力を出してしまうこともあるので、痛みが出る場合があります。

    その時は、アイシングをして構いませんので、15分程度でよいので冷やしてください。この時期でもゴムチューブ運動や片足踵上げ運動、縄跳びなどもリハビリと思い自分が安心できるまで継続してください。

 

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監修:冨澤敏夫(柔道整復師・整体師)

院長:冨澤敏夫の画像 「10秒かかと上げで足裏の痛みが消える!」(KADOKAW)、ペンギン歩きを治せは「しつこい足の痛みは消える!」(現代書林)のどの書籍があります。雑誌の取材などメディアで紹介されています。

日経ヘルス・健康364、わかさ、PHP出版などから取材を受けて、雑誌の1年間の連載も好評でした。

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