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筆者:冨澤敏夫(柔道整復師) N2023/7/16

急速破壊型股関節症の原因と対処法|悪化をさせないことが大切

急速破壊型股関節症の原因と対処法|股関節の痛みを救うさいたま中央フットケア整体院

急速破壊型股関節症は、患者数は少ないのですが、変形性股関節症で数か月で変形が急速に進行する可能性もあり、痛みが出たら「まずは病院へ」と行動しましょう。

病院でレントゲンやMRIなどの検査を行い、早期であれば保存療法で済む場合もあります。

痛みを我慢して悪化してからでは、股関節の破壊が進行して「即、手術」となる可能性もあるので、放置しないでください。

整体など医療機関でない場所を受診する場合は、知識が少なく対処法もわからない場合があるので、数回通い痛みが悪化してしまうなど危険なため、「まずは病院へ」行きましょう。

目次

  1. 急速性破壊型股関節症とは?
  2. 急速破壊型股関節症の原因は?
  3. 大腿骨頭壊死症が原因
  4. 関節リウマチの特殊型が原因
  5. 軟骨下脆弱性骨折が原因
  6. 結晶沈着が原因
  7. 特発性軟骨融解が原因
  8. 骨盤傾斜による股関節への負担が原因
  9. 急速性破壊型股関節症は高齢女性が8割を占める!
  10. 急速破壊型股関節症の初期症状は?
  11. 急速破壊型股関節症の病院での診断
  12. 急速破壊型股関節症の病院での治療法
  13. まとめ

 

急速性破壊型股関節症とは?

急速性破壊型股関節症とは股関節が6か月〜1年以内に急速に崩壊する病気で、高齢女性に多く(8〜9割)、大腿骨頭および臼蓋ともに骨破壊の進行とともに痛みは増大します。
高齢者に多いことから治療は人工股関節置換術が勧められます。

65〜70歳以上の高齢者で構造的に明かな異常がない、また構造的な異常があったとしても軽度の臼蓋形成不全が認められる股関節が、6カ月~1年以内の短期間で破壊されてしまう原因不明の疾患群です。

臼蓋形成不全
股関節の屋根が浅い状態
股関節の破壊
関節裂隙は消失し、大腿骨頭、臼蓋の骨が崩壊をきたす

 

急速破壊型股関節症の原因は?

急速性破壊型股関節症は、一次性股関節症の一つと考えられている一方で、大腿骨頭壊死症や関節リウマチの特殊型、軟骨下脆弱性骨折、結晶沈着、特発性軟骨融解などの病気が一つの原因ではと考えられています。
また骨盤傾斜による股関節への負担も考えられていますが、未だに原因は明らかになっていません。

・一次性股関節症
原因がはっきりしない変形性股関節症のことをいいます。例えば、病気や怪我がなく遺伝的要素や老化による変形を言います。
・二次性変形性股関節症
原因がはっきりした変形性股関節症で、二次性変形性股関節症の原因は、臼蓋形成不全や結核、骨髄炎などの感染後、関節リウマチ、成人の骨壊死疾患、代謝性疾患、外傷後、関節内遊離体などです。
・臼蓋形成不全
骨盤の凹みが浅い股関節=被りが浅い股関節を言います。

 

大腿骨頭壊死症

大腿骨頭壊死症は、大腿骨の骨頭の丸い部分の血流が不良で、骨壊死(こつえし)が起こる病気です。
骨壊死だけでは痛みはなく、骨壊死した骨が押しつぶされることで痛みます。

骨壊死
血が通わなくなって骨の一部が死んだ状態

 

関節リウマチの特殊型

 

1)悪性関節リウマチ

関節リウマチに眼症状、皮膚、神経障害(神経炎)など血管炎を背景にある臓器の障害を伴った病型。
この場合の悪性は、経過によっては予後不良の転帰をたどる意味です。

 

2)回帰性リウマチ

回帰性リウマチは、周期的な関節炎()を繰り返すリウマチ性疾患です。

関節炎
関節に腫れ、痛み、赤み、熱感など炎症反応がある状態

 

3)フェルティー症候群

典型的な関節リウマチに、好中球(白血球の一種)減少と脾腫(脾臓の腫大)を伴った非常にまれな病型です。
関節リウマチの早期治療が進歩した現在は減少傾向にあるようです。

 

軟骨下脆弱性骨折

骨が脆く弱く脆弱で、大腿骨頭の軟骨直下に発生する骨折です。高齢女性で骨粗鬆症を伴った方に多いと言われています。 発症時は、強い股関節痛で歩行が困難となります。

 

結晶沈着

塩基性リン酸カルシウムやシュウ酸カルシウムは、体内で自然に結晶ができることがあり、それによって、 痛風、 ピロリン酸カルシウム関節炎(偽痛風)、また他の関節の病気に似た症状が起こります。腱や結合組織にもできることもあります。

 

特発性軟骨融解

特発性股関節軟骨融解症は、小児期から思春期に起こり多くない疾患で、原因が不明で股関節の隙間が狭くなります。この症状では、保存的治療で可動域制限を残さずに、経過良好との報告もあります。

 

骨盤傾斜による股関節への負担

骨盤の傾斜で股関節の連結部位である寛骨臼と大腿骨頭で負担がかかる場合があります。
例えば、骨盤が前傾の場合は骨頭が深く被るので後方の臼蓋に負担がかかり、骨盤が後傾の場合は骨頭が浅く被るので前方の臼蓋に負担がかかります。

 

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急速性破壊型股関節症は高齢女性が8割を占める

急速性破壊型股関節症は、年間患者数は650人(男女比は0.21、全体で60歳代と70歳代が約80%を占める)と報告されています。
そのうち25%に股関節痛が発症し、60歳以上の高齢女性に好発すると言われています。
片側の股関節が多いですが、10%程度で両側の股関節にも発症していると報告されています。
片側の股関節では右股関節が2/3であるという報告もあります。

若い人はならないのか?

 

急速破壊型股関節症の初期症状は?

特発性骨壊死の初期症状は疼痛があり、骨破壊の急速な進行で痛みが増強します。特徴としては、強い股関節痛を訴えますが、レントゲンではさほど変化が認められないことが多いようです。
強い股関節痛のため歩行困難で跛行が認められます。股関節の動きは変形性股関節症の末期と違い保たれていることが多く、骨破壊が起こると病的な脱臼を起こします。
また急速性破壊型股関節症の側の脚は短縮していきます。
6カ月〜1年以内で症状は悪化して、動かない時でも痛みがあります。
歩行時は痛みが強く、歩行困難になり日常生活動作の制限が起こります。

・跛行
歩くときに足を引きずって歩く歩様に異常があること
・骨破壊
大腿骨骨頭の消失や臼蓋破壊(被りが浅くなる)

 

急速破壊型股関節症の病院での診断

血液検査では、通常異常は認められませんが、軽度の炎症反応が認められることもあります。

炎症反応
CRP上昇

発症時のレントゲンでは、一次性股関節症や骨粗鬆症、軽度の臼蓋形成不全が認められるぐらいで、とくにに問題はありません。
臼蓋形成不全の所見は69%に認められ、経過で軟骨がすり減り関節の隙間が狭くなること、大腿骨の骨頭が破壊され、1年以内に大腿骨頭の2/3~1/2が消失します。
急速破壊型股関節症は荷重部の骨に軽い硬化像を認めますが、変形性股関節症で認められる骨棘形成などの骨増殖はほぼありません。
病院では、発症早期にレントゲンのみで急速破壊型股関節症と診断をくだすことは難しく、MRIでの検査が有効という報告もあります。

急速破壊型股関節症では、特発性大腿骨頭壊死症、関節リウマチ、神経病性骨関節症(Charcot関節)、化膿性股関節炎、結核性股関節炎などの鑑別が必要です。

本疾患の明確な診断基準はありません。結果として、発症から6〜12カ月以内に股関節破壊が進行した場合に本疾患と診断されます。

 

急速破壊型股関節症の病院での治療法

病院での治療は、手術療法と保存療法があります。

高齢者に発症し、大腿骨頭および臼蓋ともに骨破壊が進行していくことから、その治療は人工股関節置換術が選択されます。
手術には人工股関節一般の合併症リスクがあります。

保存療法では、杖や車椅子で荷重負担を取り除くことになります。痛みが強い時は、内服や坐薬を使用して安静と指示されます。
保存療法では疼痛緩和が目的で、破壊された股関節を治癒することは出来ません。
悪化をさせない環境作りが主になり、悪化する環境になると日常生活動作の低下につながるので先生と相談して治療を勧めましょう。

 

まとめ

急速破壊型股関節症は原因が不明で治療法も確立されていませんが、大きく分けて手術療法と保存療法に分けられます。

多くの方が高齢者であることから、手術療法である人工関節置換術を選択するようです。治療法は病院の先生とよく話し合い決めましょう。

当整体院で出来ることは、悪化を防ぐための免荷処置で杖の指導や股関節への晒固定法です。その他では、痛みを緩和させる股関節へのセルフケアで、マッサージやストレッチなども指導しています。

病院以外で相談など必要な方は、さいたま中央フットケア整体院でお受けしています。病院ではないため診断は出来ませんが、現状で最適なアドバイスをプロの視点で伝えられますので、選択の参考にして頂ければ幸いです。

 

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監修:冨澤敏夫(柔道整復師・整体師)

院長:冨澤敏夫の画像 「10秒かかと上げで足裏の痛みが消える!」(KADOKAW)、ペンギン歩きを治せは「しつこい足の痛みは消える!」(現代書林)のどの書籍があります。雑誌の取材などメディアで紹介されています。

日経ヘルス・健康364、わかさ、PHP出版などから取材を受けて、雑誌の1年間の連載も好評でした。

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